2009年8月15日土曜日

対日経済依存度は依然高く、実利確保は日本へ

1999年から2008年までの10年間の対日計上赤字が1749億4120万ドル(約16兆7000億円)に上ることが、韓国銀行の集計で明らかになった。

 対日赤字が続くのは、日本製の部品・素材を輸入し、国内で加工して第3国に輸出する産業構造が変わらないためだ。2002~2008年の対日部品・素材輸入の増加要因をみると67%は海外需要、すなわち輸出製品をつくるためのものだった。

 部品・素材産業の対日貿易収支赤字額は年々急増しており、昨年は209億4000万ドルで、全対日貿易赤字に占める割合が64%に達した。こうした構造のなか、原材料価格の上昇とウォン安・円高現象が部品・素材輸入単価の上昇につながり、貿易赤字を拡大させる要因となっている。

 日本の所得が増えた分だけ、韓国商品の需要が増えないことも問題だ。産業研究院によると、韓国の対日輸出に対する日本の所得弾力性、日本の所得増加に伴う韓国産商品の需要増加の程度は0.84~0.92にすぎない。一方、対日輸入に対する韓国の所得弾力性は1.91~2.71で、倍を上回る。

 これは、両国の所得が同様に増加すると仮定した場合、韓国の所得増に伴う日本商品の輸入増加効果が、日本の所得増に伴う韓国商品の輸出増加効果より大きいことを意味する。研究院は、韓国の所得増加率(経済成長率)が日本を上回る傾向が続く可能性が高いことを考慮すると、経済成長に伴う対日輸入増加率は輸出増加率を上回り続け、貿易赤字はさらに拡大すると見通す。

 韓日の競争力の格差も、対日貿易赤字の背景となっている。国際経営開発研究所(IMD)が発表した2009年版の「世界競争力年鑑」によると、韓国の総合国家競争力は57カ国・地域中27位と評価された。一方、日本の評価は17位だ。また、国際透明性機構(TI)が調査した2008年の腐敗度指数(CPI)で、韓国は10点満点5.6点と、経済協力開発機構(OECD)30カ国中22位にとなっている。日本は7.3点で18位だった。

 韓国は輸出量を名目国内総生産(GDP)で割った輸出依存度が昨年は52.9%だった。国民の生活の半分以上を輸出に頼っていることになる。株式公開(IPO)プで、輸出品を製造する部品と素材はほとんどが日本から輸入しているため、経済が発展すればするほど、日本への経済依存度は高まり、赤字がふくらむ。

 日本のある経済評論家は1980年代末に、こうした状況に置かれた韓国を「鵜(う)」に例えた。韓国企業が鵜のように輸出市場で魚を捕らえると、日本の部品・素材企業が実利の魚を得る。

 韓国経済研究院のペ・サングン研究委員は、「鵜」の立場から抜け出すために、金融危機を経た今が、海外部品・素材企業を対象に合併・買収(M&A)などを検討する時だと指摘する。また、対外経済政策研究院のチョン・ソンチュン日本チーム長は「グリーン技術」だけは日本の技術力に遅れないよう、積極的な政府支援が必要だと訴えた。日本は向こう5年間で300億ドルを環境・エネルギー分野の技術開発に投入することを決めている。韓国企業に「匠の精神」が期待できなければ、政府がグリーン技術の研究・開発に投資すべきだとの立場だ。

 日本からの輸入を減らそうと努力するよりも、日本国内市場の攻略や、サービス収支の黒字幅を拡大する方向に発想を転換すべきだとの意見もある。現代経済研究院のイ・ブヒョン実体経済室長は、先進国企業のアウトソーシング経験を積み、日本市場を攻略できるブランドパワーを構築すべきだと話す。商品収支赤字が避けられないのなら、代わりにサービス業を育成し、対日貿易黒字を狙うことも可能だとアドバイスした。

http://japanese.yonhapnews.co.kr/relation/2009/08/14/0400000000AJP20090814003000882.HTML

サービス業の育成ってまさか紀伊線?

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