2009年8月28日金曜日

台湾・高雄 台風8号で主要道壊滅 日本統治時代の旧道“命綱”に

台風8号に伴う記録的な豪雨で、川沿いの主要道路が壊滅した高雄県新興、文武の両村では、日本統治時代に建設され、1992年以降閉鎖されていた旧道が、被災地に通じる貴重な代替道路として住民の生活を支えている。

 高雄県の中央を流れる〓濃渓。普段は川幅約二百メートルだが、今回の豪雨で幅約二キロにわたってはんらん、右岸の省道が約一キロにわたって崩壊した。

 上流の被災地への救援活動、支援物資の輸送を担うヘリコプターが不足しており、陸路の復旧が急務だが省道復旧には一、二カ月かかる見込み。そこで当局は苦肉の策として山寄りのコースに六つのトンネルを連ねる旧道を復活させることにした。

 旧道は、樟脳(しょうのう)を抽出するクスノキの運搬用に建設され一九三七年から四三年までに開通した。閉鎖後は周囲の自然景観と合わせ、歴史資産として観光資源になっていた。

 道幅が狭いため交互通行を強いられ、大型車両も通行できないが、支援を待つ上流の被災地と、下流の市街地を結ぶ生命線になっている。

 全通から六十年以上たった遺構は、この五十年間で最悪の被害となった大水害の復旧活動をもうしばらく支え続ける。交通部(交通省)当局の陳進徳さん(52)は「まさに命を保つ道だ。日本時代の基礎建設が大きく貢献した」と話している。

※〓は、くさかんむりに老


お役に立ててうれしいです。

0 件のコメント:

コメントを投稿